子ども・子育て新システム

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社会福祉法人改正について(2)

経営者協議会HPに定款細則や新しく改正された経理規程のモデルが掲示されています。また各法人にWAMネットを通して2016年度財務諸表等電子開示システムを取得するIDとパスワードのメールが届けられたと思います。2015年度まで現況報告としてエクセルシートによって所轄庁へ報告していましたが、それに代わって新しいシステムが示されました。1シートごとに完成させなければ新しいシートへ進むことができなくなっています。1シート目が現況の報告書になっていますが結構面倒な入力で完成させるために結構時間が掛かりました。このシステムは未完成とのことで明らかに疑問を感じる個所がありました。徐々にバージョンアップが計られるとのことです。最終的には社会福祉充実残額まで計算できるようになっていますが、このシステムの完成を待った場合、もし社会福祉充実残額が発生した場合にその計画や実施にむけて支障を来す恐れがあり、事前に経営協で示されている社会福祉充実残額計算システムを使用して自分の施設の状況をしっかり確認しておくべきです。

私達の施設では社会福祉充実残額は2015年度の決算で確認した場合マイナス7千万円という結果になりました。2016年度の決算もおそらく充実残額はマイナスになると予測しています。ただし、新しい定款によって社会福祉貢献活動の実施努力をするように規定されていますので、具体的に保育以外にどのような貢献活動ができるのか検討準備に入ります。そのための担当者を配置する予定です。

少子化になり保育園を利用する子どもたちが明らかに減少し、保育だけでの施設運営は厳しくなと思われます。施設を縮小するか、保育以外の公益事業を行うか、大きな転機が求められることになると思います。そのためにも社会福祉貢献活動を通して新たな事業展開を検討することができると考えています。

社会福祉法人改正について

社会福祉法人法の改正によって社会福祉法人が大きく変化します。全ての社会福祉法人は評議員を組織しなければなりません。当初6月中には新しい定款準則が厚労省から示されると言われていましたが、実際は9月になるようです。ですので、今の時点ではこのようになるのでは、という予測でしかありません。しかし、今年度中に評議員は組織しなければなりません。そのために評議員選定委員会を組織し、その評議員会で理事、監事を選任し決定することになるようです。新しい理事会は来年度の6月決算期を過ぎた時点で決定されるようです。

理事会の定員は最低6名、評議員は理事定数の1名増で組織されます。評議員会の決定、承認によって施設運営が行われます。評議員会での決定事項は理事、監事の人事、役員報酬規程に関すること、定款変更に関すること、年間の決算、新年度の予算案、に関すること等、が評議員会の決議事項のようです。

評議員は親族等が加わることができません。評議員選定委員は監事、事務局(制度を把握している物:園長等)、外部委員(第3者)で組織されます。理事会は評議員について推薦はできますが、決定権はありません。

社会福祉法人の本質が大きく変化します。社会福祉事業は弱者救済と生活の質の向上を目指すものでしたが、経営主体になり一般企業と同じような事業に変化するのだと思います。


公定価格の試算ソフトについて

保育所の公定価格試算については、全保協のホームページに平成28年度最新の試算ソフトが掲載されています。このHPは全保協会員専門のHPですので、全国保育協議会会員でなければ活用することができません。専用のIDとパスワードが必要です。全保協から入ることができます。

江刺保育園の今後の方向性について

9月の理事会に於いて新制度移行の協議のための資料として施設長が提案する内容です。

幼保連携型認定こども園への移行は平成27年度以降に行うことを提案いたします。その理由として制度自体が不確定な部分が多くあり、27年度に移行した場合、施設運営に大きな混乱を生じることが予測されるためです。

定価格が示されていますが。消費税80%の公定価格がいまだに明確に確定されていません。保護者負担の保育料もいまだ確定されていませんので、施設との直接契約を行う場合、利用者に明確な保育料を示すことができません。


未納者に対しての対応も、行政が負債を肩代わりするのかどうか、検討中で決定されていません。

保育認定がどのような手続きで行われるのか、施設入園の具体的な手続きが確定されていません。このような部分がかなりあり、27年度は現行の保育園で運営した方が良いと判断しました。28年度の移行に向けての準備期間としたいと思います。そして、制度が固まった状況で移行した方が良いというのが結論です。

江刺保育園の定員を最大95名として1号認定児童5名とし2号から3号認定の子どもを90名受け入れる幼保認定こども園と現行の保育所の定員95名で保育給付を比較した場合、保育所より認定こども園の方が約350万円の増額になります。だたし、こども園に移行した場合、事務職員や教務主任、小学校連携のための職員等のような新たな人材を確保しなければならなくなります。新たな事業展開が求められているということです。新制度の認定こども園は計画する事業に対して確実に収入を得ることができる制度になっています。現状の内容で収支を比較した場合、「移行する、しない」に関わらずほぼ同額となるようです。しかし、江刺保育園のような定員の割に職員が多くいる施設では新たな職員配置は決して悪い事ではないと考えます。子ども達のための必要な事業展開が可能になります。

 経営面に視点を置いて考えると、新制度の認定こども園と現行の保育所を比較した場合、1号認定の子ども(保育を必要としない子ども)を受け入れると、収入がかなり増額なる制度になっています。従って移行するのであれば1号から3号すべての子どもを受け入れる幼保連携型認定こども園に移行した方がよいと思われます。23号の子どもだけを受け入れる認定こども園になる選択もありますが、これは現行の保育所と収入はほぼ同額ですが、直接契約となるので施設の業務が多くなりあまりメリットはなく現行の保育所のままで経営した方が良いと思います。

選択肢は現行の保育所のままでいるのかどうか、1号から3号を受け入れる幼保連携型認定こども園に移行するのかどうかの二つということだと思います。新制度は子ども達のための事業展開が確実に収入に結びついています。

これからは保育も必ず利潤獲得競争に巻き込まれます。現行の保育所のままでも生き残ることは可能かもしれませんが、5年後くらいに少子化の影響が目見えて確実に表れてきた時点で資本主義の厳しさを体験することが予測され、定員の減や職員を減らさなければならない施設がかなり増えると思います。その困難を乗り切るための準備を整えなければなりません。そうであるなら1号から3号認定のすべての子どもたちを受け入れる新制度の幼保連携型認定こども園への移行を積極的に検討すべきではないのかというのが施設長としての意見です。


今までの保育園や幼稚園という考えに囚われず、子どもの為に新たな施設が生まれるという思いで移行に向け準備をしたいと考えています。

子ども・子育て支援新制度施行前に準備しなければならないこと

2014.7.12

平成27年度より新制度が始まりますが、実際の運営について具体的にどのような事を準備しなければならないのかが、明らかになっていません。運営の主体である市町村も4月からのスタートに向けて頑張っているのですが、国と県と制度の進行がほぼ平行に進んでいるため余裕がなく非常に戸惑っている状況です。その上で、現状で新制度が始まった時に準備できることを考えてみました。

1.幼保連携型認定こども園に移行するのか、しないのか 現行の保育園としてそのまま運営をするのかどうかという決断

各施設の意向に任せられています。認定こども園、保育園と比較した場合、事業内容が同じであれば保育給付に差はありません。事業内容によって収益の差が出てきます。多様な事業展開を行いたいという施設は移行した方が有利かもしれません。大きな違いは、認定こども園は直接契約となることです。

移行した場合は利用者と施設の直接契約になり、保育料は施設で徴収することになります。認定こども園ではそのための事務員の雇用が認められ保育給付に組み込まれています。保育園は現行のまま行政と利用者との契約で保育料も今まで通り行政への支払いになります。

移行すると決断した施設は、利用者との契約条文を作成しなければなりません。また直接契約になりますので、そのための管理規定、運用規定の整備が必要です。

直接契約になり施設で保育料の徴収を行わなければなりません。その徴収方法などを決めておかなければなりません。また、故意に保育料を納めない方が出た時の保証は今の時点では何もありません。施設の責任において徴収することとなっています。

2.定員の決定   認可定員と利用定員の決定

新制度は移行するしないに関わらず、定員の設定が新しくなります。認可定員は施設全体で受け入可能な定員です。利用定員は認可定員の内訳で各年齢ごとの定員となっています。保育給付は利用定員に基づいて支給されます。

今までのように
25%増しの定員を受け入れるということができなくなります。ですから、それぞれの施設で受け入れ可能な最大の認可定員を決定する必要があります。年度途中で利用定員を超えた場合や、年度ごとに利用定員を変動させることができるかどうか明確な返答は示されていません。定員によって保育給付が異なりますので、この定員設定は経営上非常に重要な作業になります。

3.長時間保育と短時間保育の内容

新制度は保護者の就労時間によって11時間の長時間保育と8時間の短時間保育に区別されます。短時間保育は11時間内のうち8時間保育を行うのですが、利用時間を固定して良いのか、又は保護者の意向に沿って11時間内の中で変動する保育なのかどうかが決まっていません。

私はたとえば朝の
9時から午後5時までの保育というようにしたいと思います。そうであるなら今までと同じような保育ができますが、朝の7時から午後3時とか10時から午後6時の間で変動する保育は避けたいと思います。どのようにしなければならないのかは不明です。

4.保育内容について

3歳児以上児については学校教育を実施するという制度です。施設において養護と教育の理論的な区別を明確にする必要が出てくると思います。保育計画についても教育的な対応を明確に設定する必要が出てくるかもしれません。新たな保育を始めなければならないということではなく、今行われている保育がどのような領域に沿った教育的な内容が含まれているのかを分析し明確な表現にすることが求められると思います。

幼保連携型認定こども園に移行し、1号から3号の保育認定の子どもを受け入れる施設は、さらにきめ細かな保育計画の策定を行う必要があると思います。しかし、保育認定の違いによって保育内容が異なることはこの制度の主旨から外れています。すべての子どもたちが同じ保育を受けることができるように配慮する必要があります。

5.施設経営、職員に関係したこと

保育給付が幾分増額になります。職員の給与の見直しをしなければなりません。また減価償却のために減額する資産を算定し、その分の積立金等の予算設定も大切な作業になります。現行の保育園でも同じなのですが、将来を見通した綿密な予算執行が必要になってくると思います。

情報開示がさらに進められますので、予算を執行するにあたり、当然のことですが、その使途の明確な説明責任が伴います。ただ単に将来のために積立を行うというのではなく、建物修繕、改築、人件費の補填など明確な理由を持たなければなりません。

認定こども園の
3歳以上の担任は保育士資格と幼稚園免状の両方を持っていなければなりません。幼稚園免状は更新制ですのでこれも対応することが義務付けられます。とくに認定こども園に移行する保育園の3歳以上の担任は幼稚園免許の更新時期が過ぎている場合、教壇に立った時点で免許が失効してしまいますので注意しなければなりません。今の時点でこれに関しての優遇処置は何も示されていませんので、できるだけ移行前に幼稚園免許更新の必要な職員を調査し更新をする必要があります。

移行しない施設においても有期雇用の職員で幼稚園免許を持っている職員にはこの更新について配慮すべきであると思います。


今の時点で考えられることは以上です。

新保育制度について 2014.6.6

今回、子どもが利用できる施設である保育所、幼稚園に加え幼保連携型認定こども園が来年度から始まります。現行のままで施設運営をすべきか、新しい認定こども園として運営をすべきなのか決断ができない状況が続いています。選択は各施設に委ねられています。

5月26日に公定価格の仮単価が明らかにされました。6月2日全国保育協議会主催の新保育制度についての今回示された公定価格を含めての厚生労働省による説明会が行われました。また、6月4日は岩手県保育研究大会において認定こども園を経営され、国と協議しながら現在の制度設計に多くの意見を提供してきた岡村宣先生の講演も行われました。これらの研修によって、これから私たちの進むべき方向性を示唆して頂きました。

最も重要視しなければならないのは、子ども達の未来であり、子どもたちが人間としてあるべき姿で成長し、より良き未来社会を作りその中でしっかりと生きることができるということです。保育施設はそのための子ども達の成長を支え育てる使命があり、その使命を果たす為の道具としてこの制度が考えられていることを確認できました。子どもの、特に乳幼児期の子どもの教育や養護についての議論は不完全で多くの課題が残されたままですが、幼稚園でなければならない、保育所でなければならないという考え方から、両者のすぐれた働きがそれぞれの子ども達の成長に貢献できるのであればどちらであっても良いということなのだと思いました。

制度に振り回されるのではなく、今の制度を自分たちの保育理念や保育目標を具現化するためにどのように利用できるのかということなのです。幸いにして充分ではないにしても公定価格は現行の単価より引き上げられ、さまざまな保育対応も予算化されています。より多くの人材を雇用し、各職員の待遇も幾分かは改善できる制度になっています。そして全てではないにしても権限が市町村に移譲され市町村独自での必要な保育対応が工夫できる制度になっています。今回の制度は充分ではないにしても、これから子ども達のためのより良い制度に変えて行くことが出来るという希望を持つことができます。これは歓迎すべきことです。

多くの方々が課題としているのは、新しい認定こども園に移行した場合に、長期の保育料未納者に対してどのような対応をするのかということです。利用者との契約条項に当然保育料の未納の件について記載されると思いますが、未納によってその子どもを退園させるという対応も考えられます。その場合その子供の保育、教育を受ける権利がはく奪されてしまいます。これに関しては施設を継続利用できる処置を子ども自身に補償してあげなければならないと思います。

利用者にたいしての分かり易く詳細な制度説明が必要です。利用者が制度が理解されて初めてこの制度が生きてきます。利用者がなにも分からないまま制度にただ振り回されてしまうような状況が続くとこの制度は排除されてしまうでしょう。

岡村先生の講演をお聞きし、この制度が幼稚園の救済や、待機児童の解消のためにだけ作られた制度ではないことを教えられました。将来を担う子ども達のために必要な保育を真剣に考え、議論されて作られた制度であることを見直したいと思います。

私たちの保育施設が行ってきた保育を継続し、さらに社会のために、子ども達のためのより良い保育を行いために、どのような選択をすればよいのかさらに考えたいと思います。